デトロイトの整備 その1「103年前の電気自動車の整備開始」
103年前の電気自動車「デトロイト号」
今回レストアを進める車両は、アメリカのデトロイトエレクトリックカー社のModel90です。この車両は103年前に発売された電気自動車です。
電気自動車の登場は、実はガソリン自動車(1886年発明)より前の1830年代に1次電池を利用した電気自動車が発明されたのが始まりとされております。
そんな貴重な1台を今回、北海道科学大学の電気電子工学科の4年生2名が手掛け、卒業論文のテーマとしてレストアと調査を進めていきます。
◆基本スペック
Model 90 ‐ デトロイト エレクトリック カー
アメリカ合衆国のデトロイト エレクトリック カー社が開発・製造した、電気自動車である。
初期の内燃エンジン自動車で必要だった、肉体的にきついエンジンの手動クランク操作をせずに、確実で即始動できることを望む女性ドライバーや医師に主に販売されました。洗練されたデザインと湾曲ガラスを利用しており、本体価格は2,800ドル、更にエジソン電池は追加で600ドルと非常に高価な乗り物でした。
1907年から1939年まで合計12,438台製造された。
■SPEC
年式:1922年式
エンジン:DCモーター/84V
最高出力:4HP/ - rpm
変速機:5段階変速
デトロイト号の心臓部を探る!電装回路の謎と給電試験
みなさん、こんにちは! デトロイト号のレストアプロジェクト、着々と進んでおります。 今回は、車の「神経」ともいえる電装系の調査と給電試験の様子をお届けします。
図面と実車の「ズレ」を発見?
レストア作業において、当時の設計図面は欠かせない資料です。
車両には資料が一つも付属されていなかったため、当時の資料や図面の調査を進め、当時の配線図の入手に成功しました。
しかし、実際に配線を確認してみると、興味深い事実が浮かび上がってきました。
トランクルームを確認したところ、図面には記載されていない黒色のビニル絶縁電線がヒューズボックスへと延びていたのです。 本来、この車の駆動系は車両前後に42Vで計84Vで設計されていますが、現在取り付けられている白熱電球はすべて12V定格のものでした。
ここから推測されるのは、過去のレストアの際、42V対応の電球が入手できなかったために、電装専用の12V回路を後付けしたのではないかということです。 今回のレストアでもこの構成を踏襲し、駆動系とは別に12Vの給電回路を設ける方針に決定しました。
電装負荷の徹底チェック
次に、実際にどれくらいの電気を使うのか、各パーツを点検しました。
ヘッドライトやテールランプなど(12V-1A):5個(計5A-60W)
その他のランプ類(12V-2A):2個(計4A-48W)
合計負荷:9A-108W
また、ブレーキを踏んだ際に点灯する「SLOランプ」の動作試験も実施。12Vを給電すると、美しいグリーンの光で「SLO」の文字が浮かび上がりました!
低電圧でも大迫力!ホーンの試験
驚いたのはホーンの動作です。 電極に直接給電して試験したところ、わずか1〜2Vという低電圧でも大音量で鳴り響きました! 内部のモータが回転し、金属を叩くような「カラカラ」という独特な音が確認でき、当時のメカニズムの力強さを感じさせます。
今後の展望
現在の配線はケーブルの劣化が激しく、交換には内装を剥がす大掛かりな作業が必要です。 今後は、既存のヒューズボードを新しいものに変更し、安全性を高めるために1.25sqの絶縁ケーブルを使用して配線を一新していく予定です。
一歩ずつ、確実に。 デトロイト号が再び公道を走る日に向けて、電装系の整備も加速させていきます。
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